鎌倉のどこかの浜。
若い男女が座っている。

たくわんを切ったときに、底がつながる人は、やきもち焼きなのだと女がいうと、
そこに物理的な相関関係はないじゃないですかと男がこたえる。
なんというフシギな会話だろう。
電車でどこかに向かう父と娘のシーンにしろ、
海辺に向かってサイクリングするシーンにしろ、
移動していることを説明する場面が、やたらと長い。

その冗長な時間を埋めるのは、ヒロイン原節子のあふれんばかりの笑顔だ。
電車のつり革につかまってはニコニコ。
ペダルをこいではニコニコ。
しかしこの人、なにがそんなにおかしいのか。
ちょっと笑いすぎ?

などといぶかしんでいたら
ある場面から原はピタッと笑わなくなって、とても恐かった。
このギャップを狙ってのことだったのか……。

クライマックス(?)の旅館の父娘のシーンもかなりこわくて、
サスペンスフル。
「このままお父さんといたいの」
とか原がいう場面では、観ながらギュッとこぶしに力入った。

どんでん返しもあり。