圧倒的。
映像も、音響デザインも、とてつもなくシャープ。

上映期間がおわるギリギリだったけど
スクリーンで見れてよかった!



とある病院のなかで
なにかを失っている青年と少女(青年は恋人を、少女は家族を)が
「おはなし」によって結びつき、快復していく。



世界遺産をふくむロケーション撮影で映像化される
「おはなし」のビジュアルが圧巻。

ただ、目もくらむようなどでかいスケールの部分ばかりでなくて
指でつくる影絵が、病室の土壁に映されるようすとか、
ものすっごいローアングルでクツを履くシーンとか、
片目ずつ目を閉じると目の前にのばした指の位置がかわることとか、
大きい氷をなめる感じとか、
5歳のちいさい女の子の視点でみた世界の肌触りが、
映画として見事にすくい取られていてたまらない。

大きいスケールの架空の世界と、小さな視点の現実の世界とが
それぞれ丁寧に書き込まれることで
互いの世界観を補強していく。


台詞もいい。

「怒った人々」
「ふたりの物語だよ」など、
短いフレーズが詩的な彫刻刀となって物語を立体的に浮かび上がらせていく。

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少女の不幸な身の上をきいた青年が
「それは悲惨だったね」と同情するときに
少女が「悲惨」という語を理解できないふりをする場面にも涙腺が……。


「おはなし」のなかのヒーローが
じぶんの手を汚さなくても
悪漢が不慮の事故で死んでしまうという展開があるのだけど
たいてい、こんなシーンをみたときに感じる
偽善的ないやーな雰囲気が
「少女とじぶんを救うためのおはなし」のなかでは
まったく嫌でないことが、じぶんでも意外だった。





監督: ターセム
製作: ターセム
製作総指揮: アジット・シン
トミー・タートル
脚本: ダン・ギルロイ
ニコ・ソウルタナキス
ターセム
撮影: コリン・ワトキンソン
プロダクションデ
ザイン: ゲド・クラーク
衣装デザイン: 石岡瑛子
編集: ロバート・ダフィ
音楽: クリシュナ・レヴィ

出演: リー・ペイス……ロイ・ウォーカー/黒山賊
カティンカ・ウンタルー……アレクサンドリア