7183c78f.JPG
ファザコン小説。

と、書くと、まるでこの小説のことを悪し様いうようなニュアンスが出てしまうのだけど、
父の呪縛のもとから逃れられず、たとえ「恋敵」という立場になってさえも、父の愛情をもとめてしまう息子の心理的葛藤は、立派に、なんの文句もなく堂々たる小説的題材なわけで、『初恋』は、ファザコンについての小説だという説明は、その文学的価値を減じるものではまったくない。ついでにいえばウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』はロリコンについての小説なんだし。