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ベタなのだ。

医師を志していた青年が、
運命の歯車のなかで仲間を銃殺することになる、だとか。

かつて志をともにして闘っていた兄弟が、
それぞれの理想のためにべつの道を歩み、敵対してしまう、だとか。

手塚治虫のマンガのプロットみたいだ。
エスプリの効いた、わかりやすい悲劇。

でもこれは、ココロを打つ物語
というだけではなくて、
見るものを打ち叩く攻撃性もそなえている。
痛みの共有を迫る。

「僕はいま、自分の闘う理由がわかった」
と、さいごにデミアンは言うのだけれど
それが何かを教えてくれないので
ぼくは考える。

考えたくない。

考える。